地獄森・各務沢・毒ガス沢・殺生窪(仙北市)









活火山である焼山の山腹に位置し、全国から入浴客や湯治客が訪れる玉川温泉。その源泉付近では

至る所から火山性ガスが噴出し、荒涼とした景観を作り上げており、この一帯にここで紹介する四つの地名が存在する。

縁起でもない地名ばかりだが、現地を観察すればこれらの地名が生まれるのも納得がいく。

いずれも少し離れた駐車場の看板や玉川温泉ビジターセンター内の展示物で知ることができる。







周囲には自然研究路として遊歩道が設けられている。これは西側(温泉の建物側)からの眺めで、

正面の山が地獄森(じごくもり)と呼ばれる。下の平地は地獄谷とも呼ばれ、岩盤浴が盛んに行われている。

地獄という地名は火山性ガスで草木が生えないような場所などによく見られ、

秋田県内では湯沢市の川原毛地獄や八幡平の後生掛温泉が有名である。




  


噴気孔が並ぶ地獄森直下の道。音を立てながら高温のガスを噴いているので息苦しさを感じる。

ガスには水蒸気、硫化水素、二酸化硫黄などを含み、温度も100℃を超える。







地獄森の北側を流れる各務沢(かがみざわ)。上流では湯気が上がっており、沢は濁っている。焼山の登山道はここから始まり、

沢の左上を登っていく。なぜここが各務沢と呼ばれるかは不明。なお、岐阜県には各務原(かかみがはら)市がある。




  

  


地獄森南側には毒ガス沢がある。率直すぎて地名らしくないが、ビジターセンター内の地図に名前があり、

他の地名と共に載っているのでここでは地名とした。




  


右の写真の中央に見えるテントの右側が毒ガス沢。少量の水が流れ、左奥から流れてくる沢に注ぐ。




  


遊歩道南側に位置し、常に激しく熱湯が湧き出す大噴(おおぶけ)。これこそが玉川温泉の源泉。

一箇所からの湧出量(毎分8000〜9000リットル)としては日本一で、その酸性度も国内最高レベルである。

ここから湧いた温泉は湯川となって各務沢と合流し、中和処理施設へと流れる。

この施設の前で渋黒川とも合流するが、その上流には叫沢が流れ込んでいる。




  


大噴の上部にあるというのが殺生窪(せっしょうくぼ)だが、危険度が高く近寄れないのは言うまでもなく、

位置関係も曖昧。自宅にある古い観光ガイドブックには「殺生谷」として載っており、

「ここでは硫化水素、砒化水素を多量に噴き出し、この有毒ガスのためにいろいろの動物が斃れている。

風力風向によってはガスが沈滞して濃度が高くなり、イタチ・キツネ等の死体も見られる。

大人でも知らないで立ち入ったら3分くらいで倒れるという」とある。



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