閖上/ゆりあげ(宮城県名取市)
地図

名取市沿岸部の大字。「閖」とは珍しい字だが、仙台藩主が考案したとも神社の神託によって生まれたとも言われる。
また同じ宮城県内の石巻市桃生にも「閖前(ゆりまえ)」、「閖谷地(ゆりやち)」という地名がある。
「閖」はしばしば日本で作られた国字として扱われるが、web上では中国での使用例もない訳ではないという情報がある。
どちらにせよ宮城県の地名のためにあると言っても過言ではないだろう。

仙台市内から県道10号を南下してくると名取川に架かる閖上大橋があり、これを渡ると名取市閖上に入る。

橋を渡ってすぐの交差点を左折すると海岸に向かう。宮城県の沿岸部と言えば2011年3月11日の東日本大震災により甚大な被害を受けたが、
震災から2年と約2ヶ月が過ぎた頃、初めてこの地を訪れた。写真は曲がって間もなくの場所で、左側にタクシー会社がある。

いずれ景色から建物は消え更地が広がるが、ここには確かに町があった。

道路を挟むように建物の跡が残り、住宅地であったことを物語っている。

貞山堀の運河に架かる日和橋。欄干が消失しているが通行は可能。

運河の様子。

日和橋の脇から海側を望む。木が生えている丘は日和山と呼ばれ神社と石碑が建ち、人が集まっている様子だった。

日和橋の近くには他にも橋が架かっていた痕跡が残っていた。
ここにあったのは市指定文化財の開運橋(昭和3年竣工)で、昔からの姿を維持する方針で改修されていたという。

貞山堀が名取川と交差する場所にある閖上水門。周囲の堤防には釣り人の姿も見えた。
水門上部の扉の下に津波の高さを示すプレートが取り付けられているが
一帯は平坦で、これ程の高さの津波が襲来してきたということを考えると恐ろしい。

水門から名取川の下流側。間もなく海へと出る。
戻る