潜り岩の抜け穴(男鹿市)



男鹿半島先端の入道崎から西海岸を通って戸賀へと至る道路の下に、潜り岩(くぐりいわ)と呼ばれる海岸に突き出た岩場がある。

この名前は一般の地図にも載っているが、どんな岩で何故そう呼ばれるのかということなど考えたこともなかった。

しかし男鹿の歴史や地理を調べている親類からこの岩を潜り抜ける穴があるという話を聞き、是非その穴を確認しようと思い訪れた。

規模的にトンネルとして紹介するには物足りないかも知れないが、景観そのものは面白いものと思うので紹介したい。






入道崎の駐車場から4kmほど戸賀側に向かうと潜り岩の上を通るが、道路上から岩の全容は分からない。

少し過ぎると海側に小さな駐車スペースがありここから海岸へ下る道がある。この場所は釣り人にも利用されている。







道は狭く、急な場所ではロープが取り付けられている。下って行くと潜り岩が見えてくる。







海岸に降り立つと岩の壁が目の前に立ちはだかる。この岩は北浦入道崎と戸賀との境界でもある。

数十メートルに亘る幅がある岬ではないが、決して薄っぺらとは思えないこの岩のどこかに抜け穴が隠されている。







岩壁にはこのようにくり抜かれた部分があるが、海の間近であるため波の侵食(海食)によって生まれたものと思われる。

男鹿半島では大桟橋、孔雀ノ窟、カンカネ洞が海食による奇観として有名。







くり抜かれた部分から海側に寄ると、岩壁を貫通する穴が空いている。これこそが潜り岩の正体と言っていいだろう。

写真ではかなり狭そうに見えるが、無理をしなくても通り抜けることはできる。この穴を通らなくても岩の海側を回って反対側へ行くことも可能。

気になるのは穴ができた経緯だが、やはり波に削られたのではないだろうか。更に通路として利用できるように人の手が加えられたのかも知れない。

今では何もない場所だが、かつては周辺に漁業関連の施設があったという。







縦長にくり抜かれた部分(青)と反対側に抜ける穴(赤、貫通している様子は見えない)の位置。

右側にも影になった部分があるが、ここには岩壁に寄り添うように立つ細い岩がある。




  


中に入ってみると奥の方は天井が低めになっている。長さは五、六メートル程度と言ったことろか。







振り返ると海がすぐそこにある。海が荒れれば洞内が水没することは間違いない。




  


反対側の坑口。こちらは海ではなく比較的丘側を向いている。







坑口前から丘側を見れば沢が流れ、先の尖った岩がそそり立つ。こんな景色が待っているとは思わず、少々驚いてしまった。







そのまま入道崎側に向かって歩き、屏風のような潜り岩の全容を見る。穴は別の岩の陰になって見えない。

知る人ぞ知る景勝地にひっそりと隠し通路が口を開けている。



戻る